「自分でやったほうが早いのに」と思ってしまう介護現場のリーダーへ

こんにちは。理学療法士の佐野です。現場経験と組織づくりの知見から、介護の現場がもっと良くなるヒントを皆様と考えていきます。

今回の記事は、日々現場の最前線で奮闘されている「リーダー」の皆様に、ぜひ読んで欲しい内容です。

現場で誰よりも動けて、誰よりも利用者さんの小さな変化に気づける。そんな「優秀なプレイヤー」だったあなたがリーダーという役割を担ったとき、一番最初につまずくのは「人に任せること」の難しさかもしれません。

「利用者の方に本当はもっと歩いてほしいけれど、他のスタッフに任せると転倒が怖いから、結局自分がいる時にしか歩かせることができない」
「伝えた通りに動いてくれないスタッフを見かねて、結局自分が巻き取ってしまう」

このような状況に直面している介護現場のリーダーは少なくないかもしれません。

そんな「任せられない」ループから抜け出すヒントは、私たちが普段、無意識に追いかけている「やり方」から、少しだけ視点をずらしてみることにあります。

私たちはつい、スタッフに対して「こうやって歩かせて」「ここを注意して」という「やり方」ばかりを細かく指示してしまいがちです。 でも、細かく指示すればするほど、スタッフは「言われた通りに動くこと」が目的になり、自分で考えることをやめてしまいます。

そこで大切になるのが、スタッフと「この利用者さんに、次はどんなことをさせてあげたいか」という具体的な目標を共有することです。

「この方は食べるのが好きだから、歩いてご飯を食べに行けるようになるといいね」
「この方は花に詳しいから、外の桜を見に行こうと誘ってみるといいかもね」

そんな風に「させてあげたいこと」を真ん中に置く。さらには、こういった具体的な目標を、スタッフ自身の口から引き出せると理想的です。

そしてリーダーとしてもう一つ大事にしたいのが、「どうすれば、あなたが『利用者さんの役に立った』と感じられるか」という、スタッフ自身のやりがいについても一緒に考えてみることです。

「危ないから座らせておく」ことで安心を得るのではなく、「一歩踏み出すのを支えられた」という実感が、そのスタッフにとってのやりがいに繋がっているか。ここを丁寧にすり合わせることができれば、具体的な「やり方」は、少しずつスタッフに委ねてみてもいいのかもしれません。

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この記事を書いた人
佐野和也

佐野和也

理学療法士。訪問リハビリや整形外科クリニックの現場で経験を積み、その後は企業の組織づくりの世界へ。「どうすれば人は前向きに行動したくなるのか」の視点を軸に、運動習慣の定着や会社組織のエンゲージメント向上などのテーマで、知見と現場のリアルを翻訳する取り組みを行っている。

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